戦うことも逃げることもできないのが「うつ」
「うつ」が発生した場合、脳内物質であるセロトニンと、ノルアドレナリンの濃度が落ちていることが分かっている。
セロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸から体内で作られるので、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品や肉、豆乳や納豆を毎日しっかり取って、午前中に太陽の光を浴びることを心掛ける。
また「体操」「散歩」「ジョギング」「ご飯を噛む」「ガムを噛む」「ヨガなどの呼吸法」などの「リズム運動」が、脳内のセロトニン濃度を上げることが分かっているので、こういうモノを日課に取り入れると良いという。
一方のノルアドレナリンは、アドレナリン、ドーパミン、セロトニンとヒスタミンなどと共に「モノアミン神経伝達物質」と呼ばれ、ストレスに対抗する反応を司る物質だ。
人間は、自分の身に危機が迫ると大きなストレスを受け、それに対処するために「戦う」か「逃げる」かという選択をする。
アドレナリンはこのとき、血圧を上げたり、血中ブドウ糖を増やす。
ノルアドレナリンは、心拍数を上げたり、筋肉を動かす準備をする。
ところが「うつ」の状態になると、このノルアドレナリンが不足して、戦うことも逃げることもできない状態に陥って、ボーっとした状態になるわけだ。
因みにノルアドレナリンの原料は、フェニルアラニンやチロシンというアミノ酸だ。
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EPA、DHA不足も実は「うつ」の原因?
ノルアドレナリンは、フェニルアラニンやチロシンから合成される。
チロシンは、フェニルアラニンからも合成されるが、食べ物でも摂ることができる。
たとえばタケノコの表面に出てくる、白いジャリジャリした粉。
納豆なども賞味期限を越えると、白い結晶が出てきてジャリジャリするが、これもチロシンだ。
チロシンは、たけのこ、たらこ、チーズ、牛乳、鶏卵、しらす干し、かつおぶし、バナナ、アボガド、白花豆、アーモンド、かぼちゃの種、ごまなどに多く含まれる。
そしてセロトニンやノルアドレナリン以外にも、うつ病と関係が強く疑われる物質がある。
それが魚の脂に含まれるEPAやDHAだ。
EPAやDHAは血液をさらさらにする成分として知られているが、実は脳の成長や脳の働きにも重要だと言うことが分かっている。
ウツの程度と血液中のDHAの濃度は相関(比例)しており、DHAが少ないと脳内セロトニンの量も減るという報告もあるという。
特にDHAは、脳関門と呼ばれる脳の関所を通ることができる物質なので、脳内セロトニンを増やすために、DHAを摂ることも必要かも知れない。
※ウィキペディア(うつ病)より